ブラジルの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を生み出すか？　―バタフライ・エフェクト―

「バタフライ・エフェクト」といわれるこの効果は、同名の映画を筆頭に、多くのSF作品等でテーマとして取り上げられています。

まともに解説すると大変に煩雑であるので、かいつまんで説明します。


たとえば、理科の授業で行われる実験。同じ条件で行えば、同じ結果が生まれているはずです。

あるいは、「見た目上は同じ結果となっている」というべきでしょうか。

試薬を5ml注ぐという手順で、常に「完璧な5ml」を計りとることは不可能です。多少の誤差はどうしても生まれてしまいます。

それ以外にも、温度、器具に付着している物質などなど、完璧に条件を一致させることは不可能といえるでしょう。

つまり、まったく同じような現象に見えても、「現在の状態」はごくわずかに異なり、また「予想される結果」も異なってしまいます。


同様のことが天気の予想などにもいえます。

天気を予想するにあたって、その予想影響を与える様々な因子がこの世界に存在します。

ごく小さな蝶のはばたき1つとっても、それ以降の気象に影響がないとは言い切れません。

そして、その影響が及ぼす範囲もまた、予想ができません。

"Predictability: Does the Flap of a Butterfly's Wings in Brazil Set Off a Tornado in Texas?"（予測可能性：ブラジルの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を生み出すか？）という講演から名づけられたこの現象は、物理現象だけにとどまらず、人生観といった分野でも語られることがあります。

ごくわずかな違いは、未来でどれだけ差を生み出すのか？

今日の行動1つは、10年後の人生にどれだけ影響を及ぼすのか？

1匹の蝶の羽ばたきは、どこまで届くのか？

未来はまだ、分からないことにあふれています。

この分野に興味を持ったならば「カオス理論」「ハイゼンベルクの不確定性原理」といった言葉を調べてみましょう！