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「先生、聞いて聞いて！」

「今ツールドフランス妨害女の捜索で忙しいから後にして」

「話題になってるけど！先生が探す理由はどこにもないよ！」

「なによ」

「先生に教えてもらった国語、あのまま出て、過去最高点取った！」

「おめでとう！な？俺ホンマに出るとこ予想するの上手いんやって」

「まじで習ったの全部出てた、40点分ぐらい」

「せやろせやろ、フハハ！新人教師の考えなど、手に取るように分かるわ」

「どうやって予想してるん？」

「漢字は、難読漢字は読み、似てる漢字がある時は書きで出題されるし」

「なるほど」

「文章問題は、本屋で売ってる教科書ワークから出ることが多いねん」

「どういうこと？」

「何年前かのセンター試験で、ムーミンの舞台はどこの国かって問題が出てな」

「うん」

「正解はフィンランドなんやけど、これに大クレームがついたのよ」

「なんで？」

「ムーミンの舞台はムーミン谷やから、それも正解にしないとおかしいって」

「あ～、まぁ一理あるか」

「そういう風に、人によって正解が違う問題を作ると、クレームになるやろ。

だから自作問題ではその危険性が高くなる。その中でも特に国語のテスト、

しかも新人やったら、リスクを冒さずワークから引用すると踏んだわけよ」

「お～！」

「相手も人間やから、戦い方はあるわけよ」

「僕にも予想できる？」

「できる。黒板に書いてないこと以外も全部メモったら100点狙える」

「書いてることじゃなくて？」

「相手も人間やから、絶対に大事なところは声が大きくなったり強調して伝えてるはずやねん。

で、先生が大事やと思ってるってことは、テストに出るってことや。

だから板書以外でも大事やと思ったことは全部メモしてきて。」

「分かった、次のテストも予想頼むわ！」

　

　

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